はじめに
2022年6月30日、無線LAN(Wifi)を搭載した「RasbperryPi pico W」が発表されました。
低価格・高機能のPicoですが、無線LAN搭載していないことだけが唯一の弱点で、「他の機器にデータを送れたら…」と思っていた人も多いんじゃないでしょうか。
今回は、そんな中ついに登場した無線LAN搭載の「RaspberryPi Pico W」 について解説したいと思います。
発売から長い間、技適の取得待ちが続いていましたが、2023年3月27日に技適が取得され、日本国内でもPico Wの販売が開始されました。
Amazonでは技適対応/非対応品が同じページで表示されてしまうため、出品者を「共立エレショップAセレクト」(国内の有名ショップ)にして購入すると安心です。
外観
Picoシリーズの外観画像です。
左が『Pico』、中央はWと同時リリースの『Pico H』(ノーマル + ピンヘッダ実装)、右が『Pico W』です。銀色部分の無線LAN用モジュールが追加と、DEBUGラインの位置変更以外は、外見上の大きな変更はありません。
※ 公式のGitHubより引用
Pico Wの特徴
『Pico W』の最大の特徴は、Infineon(インフィニオン)社製の「CYW43439」を搭載して、無線LAN(WiFi)に対応したことです。通信規格はよく使われる、IEEE 802.11nに対応しています。上記チップにはBlueTooth 5.2の機能もありますが、現時点では、無線LANのみをサポートしています。
USBのコネクタは、以前と同じ「micro USB」のままなので、既存のケーブがそのまま使えます。
今までのPicoとの違いは?
結論から言うと『無線LANの有/無』以外は変わりません。各機能は以下の通りです。
項目 | Pico | Pico W | 備考 |
マイコン(型番) | RP2040 | ||
マイコンスペック | 133MHz × 2コア | ||
無線LAN | なし | あり | 2.4GHz 802.11nに対応 |
SRAM(メモリ) | 264KB | ||
フラッシュメモリ |
2MB | ||
PCとのインターフェイス | Micro USB | ||
外部インターフェイス | GPIO, I2C, SPI, UART, ADC, PWM | ||
価格 | 4ドル | 6ドル |
ピンアサインはどう違う?
『Pico』と「Pico W』ピンアサインの違いは以下の通りです
ボード上のLEDが『RP2040のGP25』から『無線LAN(Infineon) 43439のGPIO 00』に変わっています。それ以外は同じです。
DEBUGのピンも位置は違いますが、ピンの並び順は同じです。全体的に変更が少ないので混乱せずにすみますね。
※RaspberryPi 公式GitHubより引用
まとめ
無線LAN(Wifi)を搭載した「RasbperryPi pico W」について解説しました。
全体としては、シンプルにみんなが欲しいWiFiを追加、ゴテゴテ他の機能は入れない、互換性も維持。といった感じでしょうか。引き続き本ブログでも『Raspberry Pi Pico W 』を取り上げていきたいと思います。
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