はじめに
RaspberryPi Pico(ラズパイ ピコ)の概要や、Picoでできることについて解説します。以下の疑問の解決になればうれしいです。
- RaspberryPi Picoってどんなもの?
- プログラミングは難しい?
- どんなことができる?
RaspberryPi Picoってどんなもの?
RaspberryPi Picoは、イギリスのRaspberryPi財団が独自開発した「RP2040マイコン」を搭載した開発用ボードです。Picoにプログラムを書くことで、センサーなど様々なデバイスを動かすことができます。
先に発売された、RaspberryPi1~4のように、OS・LAN・Wi-Fiは搭載していませんが、その分「小型」「超低価格」「高性能」な「H/Wの操作に特化したコスパのいいコンピュータ」です。日本では「ラズパイ ピコ」と略されて呼ばれることもあります。
- OS・LAN・WiFiは非搭載
- 小型・超低価格・高性能
- H/Wの操作に特化したコスパのいいコンピュータ
2023年3月 Wi-Fiが追加された「RaspberryPi Pico W」の技適が取得され、日本国内でも正式に発売されました。「Pico Wでできること」については、こちらの記事をご覧ください、
プログラミングは難しい?
ひと昔前の「マイコン」のプログラミンに比べて、RaspberryPi Picoのプログラミングはすごく簡単になりました。
Picoでは人気のプログラミング言語「Python」や、イマドキの開発環境「Visual Studio Code」が使えます(参考記事)。昔のマイコンは専用の有料ツールやC言語が必要でしたが、Picoは無料で、人気のPythonを使ってプログラミングすることができます。作り方もPC上のアプリを作る感覚にかなり近いです。
このブログでも「LEDの使い方」「ディスプレイの使い方」などの解説をしており、コピペだけでもPicoを動かすことができます。
上記の記事を見ていただければ「買ったけど何もできなかった」とはならないので、ぜひ気軽にRaspberryPi Picoをはじめてみてください。
- 人気の『Python』が使える
- 便利な開発環境『Visual Studio Code』が使える
- 言語・ツールはすべて『無料』
コピペでOK
このブログでもPicoのセットアップ方法と、搭載LEDを光らせるシンプルなプログラムを分かりやすく解説しています。プログラムはコピペで動くので、ぜひご覧ください。
Picoでどんなことができる?
簡単なものでは温湿度計や二酸化炭素濃度計。より高度なものでは、ホームオートメーション・ロボット・ドローンなどといったモノを作ることもできます。
以下は、Picoが使われている、プロジェクト(製作物)の一例です。
温湿度計
ホームオートメーション
防犯カメラ自動録画システムです。Picoと人感センサ・ソレノイドなどを使って、家庭の防犯カメラの自動録画システムを作成されています。本ブログでも簡易版システムのプログラムについて解説させていただきました。
USBショートカットキーデバイス

「Picoで作るUSBショートカットキーデバイス」です。
「コピー」や「貼り付け」、オンライン会議システムの「ミュート切り替え」などを割り付けて、ボタンひとつで実行できるようになります。
こちらのデバイスはUdemyの教材として公開されているので、Pythonの基礎から必要部品・加工・完成品の製作まで詳しく知ることができます。興味のある方は上の画像か、以下のリンクをご覧ください。
⇒ Picoで作るUSBショートカットキーデバイスはこちらゲーム
懐かしのゲームができるミニゲーム機を、Picoで作成されています。
アケコン(アーケードコントローラー)
Picoをアケコン(ゲームセンターのアーケードゲームのようなコントローラー)を作成されています。Picoを使うと、アケコン用の最速基板と同等の低遅延で、安く作れるそうです。
ロボットカー
Picoを使った4輪のロボットカーです。ライントレース・障害物の回避・物体追跡機能などを持ったロボットカーが作れます。超音波センサがレーダーのように動いて障害物を検知するのがカッコいいです。

ドローン
市販品が短期間で販売終了してしまうため、ドローン(マルチコプタ)のフライトコントローラーをPicoで自作されています。ドローン全体のわかりやすい製作工程や、各種データも公開されています。
AI
Picoなど小型・超低消費電力のデバイス(マイコン)でAIを動かす、Tiny Machine Learningというプロジェクトです。日本語の情報は少ないようですが、スイッチサイエンスさんからもカメラモジュールが発売されています。
まとめ
RaspberryPi Picoで出来ることについて解説しました。
概要でもお伝えした通り、Picoを使えばいろいろな「モノ」を動かすことができます。
以下のように感じている方は、ぜひぜひRaspberryPi Picoから初めてみてください。IoTやDXなど、昨今のブームで高給になっている仕事につながるかもしれません。
- 実世界の「モノ」を動かしてみたい
- ドローンやロボットを作ってみたい
- プログラミングを始めたいけど、何からやっていいか分からない
「壊しそうで怖い…」と感じるかもしれませんが、心配はいりません。もともと教育向け(子供向け)なので、乱雑に扱っても壊れないよう設計されています。万が一壊れても在庫が豊富ですぐ再入手できます。
それでも怖い、再入手を待ちたくないという方は、あらかじめ予備ように2つ購入しておくと安心です。
Raspberry Pi Pico を使ってみよう
ゼロからPicoを始める人は「Pico」「USBケーブル」「ピンヘッダ」が揃ったセットの購入をおすすめします。ケーブルの買い忘れや、タイプを間違う心配がなくて安心です。

半田付けなんて無理!という人には「 Pico H 」があります
Picoシリーズとして、ピンヘッダがはんだ付けされた「RaspberryPi Pico H」があります。半田付け以外はノーマルのPicoと全く同じなので、半田付けなんて無理!という方にはこちらの購入がおすすめです。
お知らせ
今月の雑誌 Interfaceは、Pico W記事が満載です
今月の雑誌「Interface」は、RaspberryPi Pico Wの特集!
PicoWでのBluetoothやWi-Fiの使い方が重点的に解説され、Bluetoothの基礎知識、アプリの開発方法(3言語)、スマホと連携した赤外線リモコンの作り方などなど、Pico Wだらけな一冊になっています。(ChatGPTと作るPico W用アプリ開発まである)
Pico WやBluetoothに詳しくなりたい人は、是非チェックしてみてください。

Pico/Pico W関連のおすすめ本
RaspberryPi Pico / Pico W関連のおすすめ本を独断と偏見で3つ選んでみました。Picoやるならとりあえずこれ買っとけ的な本や、電子工作全般で使える本などを厳選しています。
見た目のいい工具をお探しの方へ
工具は『見た目』も重要。モチベもあがりますし、仲間や同僚と話ののネタにもなりますよね。「いいものが見つからない」という方には以下のサイトごおすすめです。
Raspberry Pi Picoの書籍
ラズパイマガジン最新号では、5大人気ボードが1度に解説されているので要チェックです。

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