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【2024年最新】RaspberryPi Pico Windowsで使える開発環境まとめ

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はじめに

人気のマイコンボード「Raspbery Pi Pico(ラズベリーパイ ピコ) / Pico W」を、Windowsで使う場合の開発環境についてまとめました。

Picoの発表当時、開発環境として公式の「MicroPython」「C++」の2つ開発環境が提供され、続いて「Arduino言語」がPicoのサポートをし始める流れでしたが、現在では、ボード普及に伴って「JavaScript」や「Ruby」など、様々な言語での開発環境も登場しています。

そこで今回はPico / Pico Wで使える最新の開発環境をまとめてみたいと思います。

開発環境一覧

今回紹介する開発環境は以下の通りです。次の項目から各環境を詳しく紹介しています。

Thonny

Tonnyの画面を紹介する画像
Thonny
概要 初心者でも使える公式の開発環境(IDE)
言語 MicroPython / CircitPython
公式 https://thonny.org/
最新Ver. 4.1.2
対応ボード Pico, PicoW, ESP32, micro:bit
ライセンス MIT license
  • 公式チュートリアルに掲載
  • シンプルで十分な機能
  • 初心者~上級者まで使える

MicroPythonのシンプルな統合開発環境(IDE)です。Picoの公式サイトでも紹介されています。

多くの機能はありませんが、「Picoのへのデータ転送」「対話的な実行」「コード補完」「ウォッチ機能」など、コードを書くための最低限の機能を備えており、しっかりとPythonのコードを書くことができます。

セットアップも簡単なので、初心者~中級者の方におすすめです。

Micro Pico (VSCode拡張)

VSCodeで、MicroPicoを使用している画面を紹介
MicroPico
概要 中級者向けVSCodeの拡張機能
言語 Micro Python
公式 https://github.com/paulober/MicroPico
最新Ver. 3.7.6
対応ボード Pico, PicoW, ESP32-WROOM-32, ESP32-C3, Teensy 4.0※
ライセンス MPL-2.0 license

※ Pico/PicoW以外は実験的な扱いです。

  • VSCodeの拡張機能。
  • 使い慣れた環境・コード補完が使える。
  • 設定にVSCodeの知識が必要。

VisualStudioの拡張機能です。MicroPythonのコードの自動補完、強調表示、スニペット、プロジェクト管理が行えます。

関連する拡張機能のインストールやプロジェクト(フォルダ)の初期設定など、Thonnyと比べると少し敷居は高くなるので、いつもVSCodeを使っている方や、環境構築になれているような中級者の方におすすめです。

以前は「Pico-Go」という拡張機能がよく使われていましたが、今では開発・公開とも停止されており、現在はForkされたこちらの「Micro Pico」(別名 Pico-W-Go)が主流のようです。

Kaluma

Kalumaの画面を紹介
Kaluma
概要 JavaScriptでの開発環境
言語 JavaScript
公式 https://kalumajs.org/
最新Ver. 1.1.0 (ファームウェアのバージョン)
対応ボード Pico, PicoW
ライセンス Apache-2.0 license

  • 小型・高効率なJavaScriptランタイム
  • JavaScript標準をサポート
  • 普段JavaScriptを使っている方におすすめ。

RaspberryPi Pico/Pico W (RP2040チップ)を動かすことのできる、小型・効率的なJavaScriptランタイムです。

JavaScript標準 (ECMAScript 5/6/6+)をサポートし、非同期用にNode.js のような内部イベントループを備えています。

Pico/Pico Wを使うには、ファームウェアの書き換え(BOOTSELを押してファイルを上書き)が必要で、公式からブラウザで使うエディターが準備されています。

普段Web関連などでJavaScriptをメインに使っている方におすすめの環境です。

エディターは公式ページ右上のメニュー「IDE」から利用します(URLは以下)

https://kalumajs.org/ide

※ ブラウザを使う場合Quick Startに記載されている「Node.js」「kaluma/cli」の環境を構築する必要はありません。

Pico Ruby

PicoRubyでのプログラミングしているところを紹介
PicoRuby
概要 Rubyでの開発環境
言語 Ruby(軽量実装版)
公式 https://github.com/picoruby/picoruby
最新Ver.
対応ボード Pico, PicoW※
ライセンス  MIT license

※RP2040に対応。PicoWの基板上のLEDにはまだ見た未対応です。

  • Rubyの軽量実装版
  • コードを1行ずつ実行していく形式
  • mRubyよりも使いまでが簡単

日本の「はすみきん」さんが作られている、RubyでPicoを動かす開発環境です。現状ファイルには未対応で、シェルで1行ずつコード実行していく形式をとっています。

組み込み用Rubyとして「mRuby」もありますが、ファームを自分でビルドしたりと敷居が高く、PicoRubyはビルド済みのファームが公開されており、すぐに使えるのでおすすめです。

ArduinoIDE

ArduinoIDEの画面を紹介
AruduinoIDE
概要 Arduino環境での開発環境
言語 Arduino言語
公式 https://www.arduino.cc/en/software
最新Ver. 2.3.2 (IDE),      4.1.3(ファームウェア)
対応ボード Pico, PicoW,  Arduino UNO/Megaなど多数
ライセンス AGPL-3.0 license (IDE)
  • 使い慣れたArduinoの言語・IDEが使える
  • 他のArduinoボードと同じように、実装・書き込みが出来る。
  • ファームウェアはAruduinoのものに変更する

シングルボードコンピュータの元祖(?)である、Arduinoの環境を使う方法です。ArduinoIDEも使えるので、Arduinoの開発環境に慣れている方におすすめです。

ArduinoIDEに「Arduino Mbed OS RP2040 Boards」をインストールすれば、他のArduinoボードと同じように開発が行えます。

上記の公式ファーム以外にも、Arduino言語を使う強力なファームウェアが公開されています。一例をあげると、Pico WでBluetooth(Serial)を使う場合は、こちらの記事で紹介している「earlephilhower」さん製作のファームが便利に使えます。

まとめ

Picoで使える最新の開発環境について紹介しました。

公式のMicroPython、C++、Arduinoが主な開発環境でした。しかし、最近ではPicoの人気が急速に拡大し、さまざまな開発環境が登場してきています。

普段シングルボードコンピュータに触れていない人や、プログラミングの初心者・未経験者の方でも、簡単・便利に開発できる環境が整っています。ぜひPicoを手に入れてあなたのアディアを形にしてみてください。

参考になればうれしいです。

Raspberry Pi Pico を使ってみよう

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えす
現役のソフトウェアエンジニアです。 C++ C# Python を使ってます。10年ちょい設計/開発部門にいましたが、今はQAエンジニアっぽいことをしています。

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