はじめに
話題のマイコンボード「Raspbery Pi Pico(ラズベリーパイ ピコ)」で使える開発環境についてまとめてみました。Picoでは「MicroPython」「Arduino言語」「C++」が使えます。今回はMicroPythonの開発環境についてのまとめです。
MicroPython用のファームウェアが、Picoに書き込まれていることを前提に解説します。
「セットアップはどうやるの?」という方は以下の記事をご覧ください。
Thonny
- Picoの公式でも紹介されている
- シンプルで十分な機能
- 初心者~上級者まで使える
MicroPythonのシンプルな統合開発環境(IDE)です。Picoの公式サイトでも紹介されています。
多くの機能はありませんが、「Picoのへのデータ転送」「対話的な実行」「コード補完」「ウォッチ機能」など、コードを書くための最低限の機能を備えており、しっかりとPythonのコードを書くことができます。
セットアップも簡単なので、初心者~中級者の方におすすめの環境です。
ブラウザ ( Web Serial API )
- ブラウザのみで実行できる
- コマンドプロンプトのように実行は一行ずつ
- Pythonファイルは作れない
ブラウザ(Web)からシリアル通信のAPIを使う方法です。
本来であればAPIを利用するための実装が必要ですが、GoogleChrome用のデモページであるのでそれを使用します。
上記デモページを使えば、Chromeから対話的にPico上でMicroPythonを実行することができます。
デモページでは対話的な実行(REPL)のみなので、ちょっとPico上でコマンドを試してみたいという場合向きかなと思います。
環境構築方法は、以下のQiita記事で紹介されています。私の環境ではOSが古いせいか接続はできましたが、入力「>>>」 が表示されませんでした。
Visual Studio Code ( Pico-Go)
※ 2022/0704 上記リンクはなくなってしまったようです。代替え先などを調査中です。
- 使い慣れた環境で開発ができる
- 環境構築にひと手間必要(環境の制限あり)
- VSCodeを普段使っている人はPico環境を構築するのもアリ。
- 32bit OSでは使えない。
拡張機能「 Pico-Go」により、Visual Studio Codeで開発を行う方法です。Thonnyと同様、Pythonファイルの転送や、対話的な実行(REPL)も実行ができるのはもちろんのこと、普段使い慣れたVSCodeの様々な機能を利用できることが最大のメリットです。
Python3系のインストールなど環境構築は必要なので、初心者向けとはいえませんが、
普段からVSCodeを使っていて、長め・高度なコードを実装する場合はVsCodeがいいかも知れません。
Pico-Goの仕様で、「64bitOS」「Python3系」が必須になります。RaspberryPi1~4などを開発用PCとして使っている方はご注意ください。
環境構築方法は、以下のサイトが分かりやすいです(Win10)。私も動作確認のため構築を試みましたが、旧OSのため門前払いの状態でした…。
【番外編】Aruduino IDE
- ArduinoのIDEや言語が使える
- 他のボードと同じように、実装・書き込みが出来る。
- ファームウェアはAruduinoのものに変更する
PicoをArduino化してArduinoIDEを使って開発するという方法です。
スイッチサイエンス(magazine)さんのこちらの記事で紹介されていました。
ArduinoIDEに「Arduino Mbed OS RP2040 Boards」をインストールすれば、他のArduinoボードと同じように開発(スケッチのコンパイル/書き込み)が行えるようです。
例のごとく、私の環境では書き込み中のエラーとなってしまいましたが、IDEの設定方法などはスイッチサイエンスさんの記事に載っています。興味のある方はこちらの記事を参考にしてみてください。
Raspberry Pi Pico を使ってみよう
ゼロからPicoを始める人は「Pico」「USBケーブル」「ピンヘッダ」が揃ったセットの購入をおすすめします。ケーブルの買い忘れや、タイプを間違う心配がなくて安心です。

半田付けなんて無理!という人には「 Pico H 」があります
Picoシリーズとして、ピンヘッダがはんだ付けされた「RaspberryPi Pico H」があります。半田付け以外はノーマルのPicoと全く同じなので、半田付けなんて無理!という方にはこちらの購入がおすすめです。
お知らせ
\ 3月17日にPicoの本が発売されました /
Picoの基礎から50種類の電子パーツの動かし方までがソースコードと実体配線付で解説されています。初心者はもちろん中級者まで楽しめる内容です(電子書籍版もあり)。
\ 3月15日にPico/Pico W の本が発売されました /
雑誌 Interfaceの特集内容に大幅加筆。Picoの基礎~いろいろな動かし方を詰め込んだ、まさに「攻略本」な一冊です。

Picoで使えるおすすめ工具
RaspberryPiやPicoで使えるおすすめ工具も紹介しています。「何を買えばいいわからない」「おすすめの工具が知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。
Raspberry Pi Picoの書籍
ラズパイマガジン最新号では、5大人気ボードが1度に解説されているので要チェックです。

セットアップ方法
購入後のセットアップ方法もこちらでまとめています。Win7の使用する際の問題解決方法も解説しています。
まとめ
話題のマイコンボード「Raspbery Pi Pico」で使える開発環境(MicroPython編)をまとめてみました。参考になればうれしいです。
このブログではPicoのセットアップ方法や、おすすめツール・温度センサの使い方についても解説しています。興味のある方は以下もご覧ください。
お知らせ
\ 3月17日にPicoの本が発売されました /
Picoの基礎から50種類の電子パーツの動かし方までがソースコードと実体配線付で解説されています。初心者はもちろん中級者まで楽しめる内容です(電子書籍版もあり)。
\ 3月15日にPico/Pico W の本が発売されました /
雑誌 Interfaceの特集内容に大幅加筆。Picoの基礎~いろいろな動かし方を詰め込んだ、まさに「攻略本」な一冊です。

Picoで使えるおすすめ工具
RaspberryPiやPicoで使えるおすすめ工具も紹介しています。「何を買えばいいわからない」「おすすめの工具が知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。
温度センサ(I2C)の使い方
Picoに慣れてきたら、I2C接続でセンサを繋げてみましょう。直結で使えるの難しい電子回路の知識も不要です。(配線の仕方も載せています)
M5StackならWiFi・画面・バッテリー付きです
「やっぱりWifiやディスプレイも欲しい…」「基盤むき出しはちょっと怖い」という方には「M5Stack Core2」があります。Wifi・タッチ画面・バッテリー搭載で、より高度なIoT機器が追加部品なしで作れます。GPIOなどももちろんありますよ。

※ セットアップ方法もこちらで解説しています。
質問・要望 大歓迎です
「こんな解説記事作って」「こんなことがしたいけど、〇〇で困ってる」など、コメント欄で教えてください。 質問・要望に、中の人ができる限り対応します。
使えたよ・設定できたよの一言コメントも大歓迎。気軽に足跡を残してみてください。記事を紹介したい方はブログ、SNSにバシバシ貼ってもらってOKです。