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【C#】グラフライブラリ 散布図の描画方法 【ScottPlot】

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はじめに

今回はScottPlotを使って散布図を描画する方法を紹介します。
VisualStudioで新規プロジェクトを作成する所から、わかりやすく説明していきます。

この記事では、旧Ver.4.0で散布図を作る方法を解説しています。

2021年5月リリースの最新バージョン(4.1)での作成方法はこちらをご覧ください

(実装コードが少し違います)。

環境

環境バージョンなど備考
VisualStudio   2019 Community 2017でも可
.NET4.7.2
プロジェクトWindowsFormアプリケーション 
OSWindows 7 Wn10でも可
ScottPlot4.0.42

プロジェクトの作成とパッケージのインストール

プロジェクトの選択

VisualStudioの新規プロジェクトでWindowsFormプログラムを選択します。
※フォームの名称はForm1として説明します。

NuGetパッケージの管理の表示

VisualStudioの「プロジェクト」「NuGetパッケージの管理…」を選択します。

ScottPlotの検索とインストール

開いたウインド内で「参照」を選択し、検索欄に「ScottPlot」と入力します。
ScottPlot.WinFormを選択して「インストール」を押すと、自動的にインストールが行われます。

  • 「4.1.x」は使い方が少し変わるので、バージョン欄の「▼」で、「4.0.xx」を選択してください。

コントロールの追加

パッケージが追加できたら、フォームにScottPlotのコントロール(グラフが描画される部分)を設定します。

ソリューションエクスプローラー内のForm1.csを右クリックして、デザイナーの表示をクリックします。


ツールボックスから、「ScottPlot.WinForms」のコントロールを開きます。

FormsPlotをフォームにドラック&ドロップします。

これでコントロールの配置は完了です。続いてコードを実装していきましょう。

※コントロールの名前はデフォルト(FormsPlot1)で説明していきます。

全体コード1 (グラフの描画)

Form1.csを右クリックしてコードの表示を選択し、以下のコードを実装します。
今回は簡単化のため、Formのコンストラクタ内に描画までのコードを実装しています。

    public Form1()
    {
            InitializeComponent();

            // サンプル用のデータです。
            double[] pointX = { 1.0, 2.0, 3.0, 4.0, 5.0 };
            double[] pointY = { 1.0, 2.0, 3.0, 4.0, 5.0 };

            // グラフにタイトルを付けます
            formsPlot1.plt.Title("タイトル");

            // X軸, Y軸に名前を付けます
            // fontNameでフォントを指定することができます。

            formsPlot1.plt.XLabel("時間", fontName:"MS ゴシック");
            formsPlot1.plt.YLabel("値");

            // 散布図としてデータをセットします。凡例もあわせて設定します。
            formsPlot1.plt.PlotScatter(pointX, pointY, label: "漢字");

            // Legend(凡例)の表示を指定します(指定しないと表示されません)
            formsPlot1.plt.Legend();

            // ScottPlotのコントロールに描画(表示)します。
            formsPlot1.Render();

    }

実行結果

実行すると以下のグラフが表示されます。
グラフタイトルなども、文字化けせずに正しく日本語表示されるのがありがたいですね。

英語でもなんとかなるでしょうが、仕事で資料・他部門用ツールなどを作る際は、日本語表示のほうがウケがいいですよね ^^;

グラフの操作方法

グラフの拡大・縮小などの操作もコードの記載なしで行うことができます。
操作方法は以下の通りです。

マウス操作         グラフ           
スクロール拡大・縮小
左クリック+ドラッグ上下左右への移動
右クリック+ドラッグX軸/Y軸の拡大縮小

全体コード2 ( 表示を最初に戻すボタン )

グラフを操作していると、「表示を最初の状態に戻す」機能があると便利です。
ScottPlotを使えば、ボタンを作った後に2行で実装できます。

ボタンの追加は以下をご覧ください。

~ 最初の状態に戻すボタンの作り方 ~

  • デザイナでフォームにボタン(button1)を追加します。
  • button1をダブルクリックします。
  • 「button1_Click」の関数が自動生成されます。

button1_Click内に以下のコードを追加してください。(30行目からの部分です)

        public Form1()
        {
            InitializeComponent();

            // サンプル用のデータです。
            double[] pointX = { 1.0, 2.0, 3.0, 4.0, 5.0 };
            double[] pointY = { 1.0, 2.0, 3.0, 4.0, 5.0 };

            // グラフにタイトルを付けます
            formsPlot1.plt.Title("タイトル");

            // X軸, Y軸に名前を付けます
            // fontNameでフォントを指定することができます。

            formsPlot1.plt.XLabel("時間", fontName: "MS ゴシック");
            formsPlot1.plt.YLabel("値");

            // 散布図としてデータをセットします。凡例もあわせて設定します。
            formsPlot1.plt.PlotScatter(pointX, pointY, label: "グラフ1");

            // Legend(凡例)の表示を指定します(指定しないと表示されません)
            formsPlot1.plt.Legend();

            // ScottPlotのコントロールに描画(表示)します。
            formsPlot1.Render();

        }

        // 最初に戻すボタンのコードです。
        private void button1_Click(object sender, EventArgs e)
        {
            // グラフデータにあわせて描画内容を調整します(最初に戻す)
            // 引数でX軸・Y軸の余白(マージン)を調整することもできます。
            formsPlot1.plt.AxisAuto();

            // ScottPlotのコントロールに再描画します。
            formsPlot1.Render();
        }

実行結果

実行すると以下の表示になります。
(表示後、マウス操作でグラフが見えない状態にしてあります)

追加した「再描画」ボタンを押すと、グラフが最初に表示した状態に戻ります。
グラフの表示の機能を作る際は、よく作る(要望される)機能だと思います。
2行程度で実現できるのはうれしいですよね。

まとめ

ScottPlotを使った散布図の描画、調整(最初に戻す)のやり方について説明しました。
本家のCookBookにもいろいろな使い方が解説されているので、合わせてご覧ください。

https://swharden.com/scottplot/cookbook

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現役のソフトウェアエンジニアです。 C++ C# Python を使ってます。10年ちょい設計/開発部門にいましたが、今はQAエンジニアっぽいことをしています。

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