はじめに
Raspberry Pi Pico に搭載されている温度センサの使い方について解説します。
- 部屋などの環境温度を測れる。
- 追加の部品の購入なしでセンサに触れる。
- Pythonで組み込みプログラミングをさくっと体験できる。
以下の方は次の記事も合わせてご覧ください。
- 買った後にどうやってセットアップするの?
- Windows7だとPicoを認識しない。
環境
環境 | バージョンなど | 備考 |
開発PC | Windows 7 | 手動のドライバインストールが必要です |
開発環境 | thonny-3.3.11 | |
ボード | Raspberry Pi Pico | |
ケーブル | USB2.0 TypeA – MicroB |
RaspberryPi Picoとの接続
今回はPico本体に搭載されている温度センサのみを使います。外部の部品・回路に接続する必要はありません。
使用する部品
今回の記事では以下の部品を使用しています。
RaspberryPi Pico
Pico本体です。半導体不足が続いていますが、価格・納期とも安定しています。

USBケーブル Micro-B
本体にUSBケーブルが付属していないので、別途購入が必要です。PicoW側の形状は「Micro-B」、ひと昔前のスマホと同じタイプを使います。現在主流のTypeCではないので注意が必要です。

実行結果
後述する、温度センサの値を取得するコードを実行結果は以下の通りです。

全体コード
Picoに搭載されている温度センサから、温度情報を読み取るコードです。
公式のGitHubの以下ページに掲載されています。
import machine
import utime
# 温度センサが接続されている、
# 4つ目の ADC(アナログデジタルコンバータ) を取得します
sensor_temp = machine.ADC(4)
# ADCの最大電圧3.3Vを16bit(65535)で割って、
# 16bitの 1 目盛りのあたりの電圧(変換係数)を計算します( 約 0.00005V)
conversion_factor = 3.3 / (65535)
while True:
# センサから取得した値(0~65535) を電圧に変換します。
reading = sensor_temp.read_u16() * conversion_factor
# 温度を計算します。センサは27度を基準にしているため、
# 温度センサの数値を27度から引いて計算します。
temperature = 27 - (reading - 0.706)/0.001721
print(temperature)
utime.sleep(2)
コードのポイント
変換係数の計算
センサから取得した16bitの値に変換係数をかけて、温度センサの値を電圧値に変換します。
# センサから取得した値(0~65535) を電圧に変換します。
reading = sensor_temp.read_u16() * conversion_factor
温度の計算
Picoに搭載されている温度センサは、27度(0.706V)を基準としているようで、
取得される電圧は、27度からの差分/傾き(どれだけ変化しているか?)の値として考える必要があります。
そのため、単純に取得した値をそのまま温度として積算するのではなく、
27度を基準とした際の変化量として計算することで、温度を算出することができます。
1度につき、0.001721V 変化するそうなので、以下の式で温度を計算します。計算の流れは以下の通りです。
# 温度を計算します。センサは27度を基準にしているため、
# 温度センサの数値を27度から引いて計算します。
temperature = 27 - (reading - 0.706)/0.001721
基準分を引き算して、基準からの変化量を求めます
reading(電圧値) – 0.706
基準からの変化量が、何度分であるかを計算します。
(reading – 0.706)/0.001721
基準の27度からの温度の変化量を引いて、現在の温度を計算します。
temperature = 27 – (reading – 0.706)/0.001721
まとめ
Raspberry Pi Pico に搭載されている温度センサの使い方について解説しました。
参考になればうれしいです。
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