はじめに
RaspberryPi Pico W(ラズパイ ピコ)でMicroPythonを使って、Pico W 本体のLEDを光らせる方法を解説します。
本家のチュートリアルでも紹介されていますが、無線LANへの接続がメインでコードも長いため、LED操作に限定して短いコードで解説します。
~ この記事の内容 ~
環境
この記事で使用する環境は以下のとおりです。
環境 | 内容 | バージョン・備考 |
開発用PCのOS | Windows11 | Windows10でもOKです |
言語 | MicroPython | |
ライブラリ | picozero | |
開発環境 | Thonny | Ver. 3.3.13 |
ボード | RaspberryPi Pico W |
※ Pico W のセットアップ方法について、別途記事を作成予定です。
RaspberryPi Pico W との接続
配線は不要です。RaspberryPi Pico W 本体に搭載されているLEDを使用します。
Pico W ピンアサイン(Pin-Out)
※ Pico W公式サイトより引用
使用する部品
Pico W 本体
Raspberry Pi Pico W本体です。Amazonでは技適対応品/非対応品が同じページで表示されてしまうため、以下のページで出品者を「共立エレショップAセレクト」(国内の有名ショップ)にして購入すると安心です。
USBケーブル Micro-B
本体にUSBケーブルが付属していないので、別途購入が必要です。PicoW側の形状は「Micro-B」で、ひと昔前のスマホと同じタイプ。現在主流のTypeCではありません。

公式ライブラリ「picozero」
「picozero」について
picozeroは、RaspberryPi Pico/Pico W でLEDやモーターなど、一般的な電子機器を使うための初心者向けのライブラリです。
RaspberryPi財団公式のGitHubで公開されており、誰でも無料で使うことができます。初期リリースが2022年3月なので新しいライブラリです。
「picozero」のインストール手順
開発環境である「Tonny」でインストールします。手順は以下の通りです。
Thonnyを起動し、上部メニューの「ツール」→ 「Manager Packages…」をクリックします。
表示された画面の検索ボックスに「picozero」と入力します。
表示された「picozero」をクリックします。
picozeroの内容が表示されたら「インストール」ボタンを押します。
「INSTALL」の下にpicozeroが表示されていれば、picozeroのインストールは完了です。
プログラム概要
今回のプログラムの概要は以下の通りです。
- 本体LED用のオブジェクトを取得する。
- LEDを操作する。
実行結果
後述するプログラムを実行すると、以下のようにPicoW 本体のLEDを1秒間点灯させることができます。
全体コード
全体コードは以下の通りです。詳細な内容は後述する「コードのポイント」で解説します。
from picozero import pico_led
import time
# pico w 本体のLEDを点灯します
pico_led.on()
# 1秒待機します。
time.sleep(1)
# pico w 本体のLEDを消灯します
pico_led.off()
Pico/Pico Wだけ(PCなし)でプログラムを実行する場合は、ファイル名を「main.py」にして、Pico/Pico W本体に保存してください。
コードのポイント
本体搭載LED用オブジェクトの取得
ライブラリから、本体搭載のLEDのオブジェクトを取得します。ピン番号等の設定は必要ありません。
from picozero import pico_led
import time
LEDの操作
on/off関数を使って、LEDを操作します。
# 1秒待機します。
time.sleep(1)
# pico w 本体のLEDを消灯します
pico_led.off()
【参考】machineモジュールを使う
従来の「machine」モジュールでもPico Wの本体LEDを操作できます。
machineモジュールで使用する場合は、Pinのコンストラクタで「”LED”」という文字列を指定してください。
import machine
import time
led = machine.Pin("LED", machine.Pin.OUT)
# pico w 本体のLEDを点灯します
led.on()
# 1秒待機します。
time.sleep(1)
# pico w 本体のLEDを消灯します
led.off()
まとめ
RaspberryPi Pico WでMicroPythonを使って、Pico W 本体のLEDを光らせる方法を解説しました。「picozeroってなに?」「Pico W 本体のLEDを使いたい」という方の参考になればうれしいです。
お知らせ
\ 3月17日にPicoの本が発売されました /
Picoの基礎から50種類の電子パーツの動かし方までがソースコードと実体配線付で解説されています。初心者はもちろん中級者まで楽しめる内容です(電子書籍版もあり)。
\ 3月15日にPico/Pico W の本が発売されました /
雑誌 Interfaceの特集内容に大幅加筆。Picoの基礎~いろいろな動かし方を詰め込んだ、まさに「攻略本」な一冊です。

Picoで使えるおすすめ工具
RaspberryPiやPicoで使えるおすすめ工具も紹介しています。「何を買えばいいわからない」「おすすめの工具が知りたい」という方は、こちらの記事をご覧ください。
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